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【2025年夏・ヨーロッパ音楽旅】第1夜:グラーフェネック音楽祭
2025.09.15
夏休みを利用して、次女とふたりでヨーロッパへ行ってきました。
今回の旅の目的は、オーストリアの音楽祭、そしてスペインのサグラダ・ファミリア。どちらも長年行ってみたかった場所です。
オーストリアを訪れるのは実に約35年ぶり、スペインは新婚旅行以来で30年ぶり。今回は、以前行けなかった場所をめぐる「振り返りの旅」として、留学経験のある次女に付き合ってもらいました。
ウィーンではアパートメントを借りて滞在。現地の生活を味わいながら、主に鉄道を使って移動するスタイルにしました。
グラーフェネック音楽祭とは
グラーフェネック音楽祭は、ウィーンの北西にあるグラーフェネック城を舞台に毎年開かれる国際的な音楽フェスティバルです。開催期間は6月中旬から3ヶ月間。自然豊かな城の敷地内にある野外劇場「雲の塔(Wolkenturm)」は、そのユニークな建築と素晴らしい音響で知られています。
通常の座席に加え、芝生席も約300席あり、気軽に楽しめるのも魅力。チケット価格も手頃で、私たちは日本からオンラインで購入しました。
私が72ユーロ、次女はU26(26歳以下)割引で36ユーロ。また、会場までの専用往復バスもセットで予約。こちらは私が15ユーロ、次女が7.5ユーロでした。
ウィーンから音楽祭会場へ
当日は16時発の専用バスに乗るため、ウィーン楽友協会(ムジークフェライン)へ。
市内中心部から緑豊かな風景を眺めながら、バスに揺られること約1時間でグラーフェネックに到着しました。
到着すると、すぐに係員から「帰りのバスは演奏終了後15分で出発します」と説明が。ウィーンの人々は交通機関の利用も非常にスピーディーなので、「のんびりしていたら置いていかれるかも…!」と、やや焦りつつも会場へ向かいました。
駐車場には大型バスや自家用車がずらりと並び、遠方からも多くの人が訪れていることが感じられました。

ー城内への入り口ー
雲の塔と、開演前のひととき
敷地内にはセンスの良いカフェが点在し、右手には屋内ホール「オーディトリウム」も見えます(悪天候時はこちらで演奏が行われるそう)。

ー悪天候の時に使用されるホール「オーディトリウム」ー
入場口でQRコードを提示してチェックイン。芝生の上には椅子がいくつか用意され、人々は思い思いにくつろいでいました。子供たちが遊ぶ姿もあり、ピリッとした格式よりも、リラックスした雰囲気が漂っていたのが印象的でした。


ー自然いっぱいの敷地内でくつろぐ人々ー
開演は19:30。しばらくはお城を眺めたり、芝生に腰を下ろしたりしながら、訪れる人々をウォッチング。開演が近づくにつれて正装の方も増えてきましたが、全体的にはシンプルで上品な装いの方が多く、男性はジャケットを羽織っている方が目立ちました。

ーグラーフェネック城ー
ただ、真夏にも関わらず、日が落ちるとぐっと気温が下がり、おそらく10℃前後まで冷え込んでいたと思います。地元の人たちはさすがに心得ていて、ダウンやショール、座布団などをしっかり準備。
私たちは日中、クリムトを見るためにベルベデーレ美術館を訪れていて、夏服に重ね着した程度だったため、震えるほどの寒さに…。これから行かれる方には、防寒対策を強くおすすめします。

夕暮れ時の 野外劇場「雲の塔」
今夜のプログラム
この日の演目は以下の通り:
- アルヴォ・ペルト《カントゥス ― ベンジャミン・ブリテンの思い出に》
- ドヴォルザーク《ヴァイオリン協奏曲 イ短調》
※ヒラリー・ハーン予定 → 体調不良のため イザベル・ファウストが代演 - シベリウス《交響曲 第2番 ニ長調》

ー第2部が始まる頃には、あたりは真っ暗に。まさに夜空に浮かぶ「雲の塔」でした。ー
ヒラリー・ハーンの演奏を楽しみにしていたのですが、残念ながら体調不良でキャンセルに。それでも、代役のイザベル・ファウストの演奏は圧巻で、まったく“代役”という感じがしない、深みと情熱のある素晴らしい演奏でした。
夜の野外会場で、風に揺れる草の香りとともに聴くクラシック音楽。日常とは全く違う世界に身を置くような、非日常的な時間でした。
おわりに:音楽とともに思い出を重ねる旅
グラーフェネック音楽祭は、音楽ファンなら一度は訪れてみたい特別な場所。
今回、長年の夢を叶えるかたちで訪れることができたのは、娘と一緒だったからこそ。
気軽に参加できる一方で、内容は本格的。ウィーンからのアクセスもよく、会場の雰囲気もとても心地よいので、クラシック音楽に詳しくなくても楽しめると思います。
これから行かれる方は、「野外の夜は寒い!」という点だけ、お忘れなく。
📝これから行く人のためのミニガイド
- チケット購入:日本から公式サイトでオンライン購入可能(U26割引あり)
- 送迎バス:ウィーン楽友協会前から専用バスあり(片道約1時間)
- 会場の雰囲気:カジュアル~セミフォーマル、芝生席はピクニック気分
- 服装:夜はかなり冷えるので、夏でも厚手の上着やブランケットを持参
- 開演時間:例年19:30前後、早めに行って散策&カフェタイムもおすすめ